2001年度 事例研究委員会 まちづくりの知恵の検証 その1
「ニュータウンの検証−千里ニュータウンを例として」
      
                              事例研究委員長 正木 啓子
                              構成・文責:難波 健(兵庫県)
                                   インターネットページ構成:池田順一


<検証対象>
関西支部設立10周年記念事業
「関西都市計画100年の歩みとまちづくりの知恵」
(5)ニュータウンの形成/専用住宅地の形成
      −千里ニュータウンを例として−      富安 秀雄

日時 2001年12月15日(土)集合時間 13時15分
集合場所 千里中央 ライフサイエンスセンタービル 1Fアトリウム

見学テーマ:千里ニュータウン形成の知恵の検証

 生活環境問題研究所                               山本  茂  氏
       大阪府建築都市部都市整備推進課            入江 健二 氏

 @ 全面買収方式ニュータウンの今
   ・土地利用計画は成功したか 

 A 近隣住区の展開(1):近隣センターの今
    ・新千里北町近隣センター
     新千里東町近隣センター
     南千里センター

 B    近隣住区の展開(2):住宅地の変容
    ・共同住宅地の変容:旧新千里西町K−A団地(団地建替え)
     戸建住宅地の変容:古江台戸建住宅地を中心に
     社宅のマンション化:古江台北地区センター近辺
 
 C 自動車時代のまちづくり
     歩専とクルドサックの今:古江台界隈
     周辺緑地と域外連絡:佐竹台

 D その他
    ・高齢者対応施設の展開
     健康の森誕生秘話
     千里をめぐる先進ニュ−タウン論など(健康の森にて)

行 程  千里中央⇒新千里西町⇒新千里北町⇒新千里東町⇒古江台⇒北地区センター⇒

     健康の森⇒津雲台⇒南地区センター⇒佐竹台⇒千里中央

              意見交換懇親会:千里中央朝日阪急ビル21F 甘太郎

参加 正木委員長・梶山・三崎・坂井・高田・高谷・難波+山本・入江・池田

資 料   まちづくりの知恵 64ページ
     千里の歴史・千里ニュータウンマップ

           
<検証に取り組む経緯>
 事例研究委員会をあげて、都市計画学会関西支部10周年記念事業「関西都市計画100年の歩みとまちづくりの知恵」の出版に取り組んできた。
 この2年間の成果を今後の事例研究委員会にどう活かすかについて議論した結果、知恵の検証をすることとした。全ての事例を検証することは無理だが、たとえ数例でも知恵が今どのように生きているのか、また何を継承すればいいのかを考えることは、都市計画に携わる者に新たな世界を開くこととなる可能性がある。
 まず、事例5の富安秀雄氏が書かれた千里ニュータウンを取り上げた。
 千里を選んだ理由は、なんと言っても日本最初の大規模ニュータウンであり、これに追随して多くの官民様々なPJが起こっている。兵庫でも、京都でも、ニュータウンのリニューアルは行政の大きな課題の一つとして明らかになりつつある。このような課題もあわせて日頃なかなか機会のない現地視察により昔日のニュータウンを肌で感じてみようということになった。
 現地視察は2001年12月15日(土)事前に千里ニュータウンの中の「健康の森」に事務所を持ち、多くの千里の調査に関わってこられた(財)生活環境問題研究所の山本茂氏、藤白台で近隣センターの再開発事業に取り組んでおられる大阪府建築都市部都市整備推進課の入江健二氏に案内人を依頼して、いずれも快くご承諾をいただいた。ここにあらためてお礼を申し上げておく。
 土曜の半日で、当初予定した行程を全て廻ることはできなかったが、「とさ千里」など予定していなかった見学地も加わり、最後は健康の森で参加者によるニュータウンに関する意見交換で幕とした。


<検証の結果>
 千里ニュータウンについてはこれまで様々な研究が行われており、また現在も続けられている。また、来年は40周年ということで、良きにつけ悪しきにつけ常に注目を集めるニュータウンの先駆けの学術的な研究は専門家にお任せすることとして、我々が感じた現在の千里ニュータウンの側面を綴って事例研の報告として公表することとする。



梶山善弘◆◆ニュータウンにほしいコミュニティの仕掛け◆◆
 梶山メモでは、ニュータウンにほしいコミュニティ形成の仕掛けを結論としている。新千里東町のコミュニティプラザでボランティアの方々に入れていただいたコーヒーは、とても美味しかった。
コミュニティプラザのコーヒーとカンパ箱 床に描かれていたニュータウンの地図

高谷基彦◆◆近隣センターの今◆◆
 高谷メモでは、我々のまわった4つの近隣センターの現状を述べている。藤白台では容積率117%という周辺の住環境に配慮した再開発が行われていた。
建設中の藤白台近隣センター

高田剛司◆◆マーケットとしてのニュータウン◆◆
 高田メモでは、高知とタイアップして出店されている「とさ千里」を通してニュータウンの市場としての今後の可能性に着目している。

説明していただいた土佐産商(株)の山岸氏

坂井信行◆◆変容する住宅地◆◆
 坂井メモでは、時代の波に対応した住宅地の変容について、かくも変わるかニュータウンという驚きを込めて現状が記されている。

住宅地内のクルドサック



□ □意見交換□□
 山本氏のご厚意で、健康の森の会議室で千里の歴史図書を眺めながら意見交換を行った。
◇ 千里の位置づけ
 いろんな評価があるが、ともかく一時代の先駆であったことには間違いない。これをアンテナ団地として何を学んでいくかが重要で、40年、50年たっても先頭を走る千里に休みはない。
◇ 千里は良すぎる
 ロケーションがよい。他の団地がリニューアルして、成功するかどうかの危惧があるが、千里はどう転んでもなんとかなる立地条件にある、だからなんでも実験できるともいえる。
◇ 住宅の問題
 世代交代が進んでも、住み続けたい人は多い。高齢化対策としてのケア付きマンションへの住み替え実験も可能である。公営住宅については、行政は作りたくないということだが…。

健康の森のミーティング風景

委員レポート

坂井信行 梶山善弘 高谷基彦 高田剛司

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