海外都市計画交流会
2009年(シンガポール)

本年度は、都市国家シンガポールを訪ね、シンガポールの都市開発・再開発の広範な領域に関与している都市再開発庁(Urban Redevelopment Authority, URA)を訪問し、最新の都市開発・再開発の状況等についてヒアリングした他、限られた国土における都市のあり方と人々の暮らしについて、視察を行った。交流内容の概要は以下の通りである。

◆参加者
会員参加者:荒谷一平(兵庫県)/金澤成保(大阪産業大学)/柴田 祐(大阪大学)、沈 悦(兵庫県立大学)、寺田憲二(大阪ガス)、平田富士男(兵庫県立大学)/堀口 浩司(地域計画建築研究所)

◆交流内容の概要
1. 8/31(月)
  @ 大阪市シンガポール事務所訪問
  以下では、シンガポール国立大学(NUS)建築学科中島一裕先生と学生3名に案内頂いた
  A シティホール周辺、チャイナタウン、リトルインディア、アラブst.の視察
2. 9/1(火)
  @ URA訪問、開発事業、再生事業についてヒアリング、URA本部City Gallery見学
  A 大阪市事務所シニア・コンサルタントのMs.Ng Leng Leng宅(HDB公団住宅)を見学
  B 都心地区、クラークキー、オーチャード・ロード周辺を視察
3. 9/2(水)
  @ オーチャード・ロード周辺、ジュロンタウン工業団地、チャイナタウン等を見学


URAのCity Galleryの見学

Ms. Ng Leng Lengさん宅のHDB住宅の見学

◆帰国後意見交換会の概要
帰国後、10月5日(月)に意見交換会を開催した。
以下では、意見交換の一部をご紹介するが(詳細は各自の資料を参照のこと)、一言で言えば、社会主義的な政策とどこまでも利益を追求する華僑精神が同居し、それがシンガポールの都市を特徴付けているということになろうか。
  • 歴史的経緯と限られた国土という事情から生み出された土地利用制度について、多くの意見が交わされた。土地に対する権利は、99年借地、999年借地、制限付きの所有の3種類が主なものであり、土地所有によるキャピタルゲインは期待できないが、住宅(ほとんどが高層の集合住宅)をライフステージの変化と収入の上昇にあわせてどんどん住み替えていくのが通例で、数年での住み替えも珍しくない。その流動性の高さが国の活力の源にもなっていると思われる。
  • 都心部ではERP(Electronic Road Pricing)と呼ばれるロードプライシング制度が導入されているなど、都市計画や緑地政策、経済政策で常に新しい政策を追求している。限られた国土で地下資源もなく、水すら輸入しなければならない国家が、国家として生きていくためには、「世界中の人や物、そしてマネーがクロスする交差点を作り、そこにマネーが落ちる仕組みが必要」であり、そのために最適な都市を追い求めているといえる。
  • この他、ショップハウスの保存、観光政策、風水思想との関係などについての議論があった。



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