2017/05/01 【ご報告】

研究助成「都市計画研究会」の概要報告

●伝統と進化の祭礼『天神祭』から大阪の都市空間を発見する会(代表:神吉紀世子(京都大学))
 毎夏百数十万の人出で知られる、日本三大祭の1つ『天神祭』。2015年で1億9千万円以上がかかっている。行政支援のカット、協賛企業の撤退、増大する警備費、で大阪天満宮や氏子衆・講社の負担は増している。実は厳しい状況にある天神祭について、改めて関心が広まるよう、千年の伝統と現代性、大阪のまちとの多層の関わり、市内はもとより近江や南紀等広くつながる祭の縁を学び、発信する会活動を行った。具体的には、天満宮での勉強会、氏地の伝統をたどる見学会、淀川上下流と祭の縁を知る鉾流神事と行宮祭(西区)の見学会、宵宮の陸渡御・船渡御・宮入りへの参加取材、等を、天満宮や鳳神輿講等の協力を得て開催し、FACEBOOK(”そらみつ”で検索)で実況、関西支部会員にはニュースレターを発行した。千年 !変わらぬ神事、クレーンやモーターボートも登場する船渡御等、現代都市祭礼の静寂と躍動の具体像を会員に知ってもらい、同時にその運営の苦労も知ってもらう機会を、提供するよう今後も活動を続けたい。

●都市計画トマソン」から都市計画運用の課題を考察する会(代表:川崎修良(徳島大学))
 本研究会は、「超芸術トマソン」の概念を都市のスケールに敷衍した「都市計画トマソン」について、そのユニークな存在感を観察・鑑賞する「都市観察」の考え方を提起する。想定されていた機能が失われた都市計画の産物も都市の構成要素であり、その行く先を再開発、再利用、撤去、放置など様々な選択肢の中から決断し、環境の価値を高めることもまた都市計画の課題である。一方で、都市の構成物の評価は機能だけで行われるのではない。土木学会の選奨土木遺産に選定された旧国鉄五新線のように、都市機能としては全く役割を果たさなかった遺構についても、人々がその存在価値を認識すれば、評価を受けるような動きが見られる。このような視点から、都市の構成物の移り変わりに着目してもらうツールとして、そして都市の中の潜在的な価値評価の可能性として、都市計画トマソンを収集、考察し、またその考え方と面白さをアピールできる事例の蓄積を行なった。

神吉紀世子氏

川崎修良氏

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